鉄人28ミリ
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鉄人も好きだ、スポーツ。




日曜日、観てきました。
ナイロン100℃「男性の好きなスポーツ」@本多劇場。
パンフによるとケラ・初挑戦の「セックスコメディ」。
まだ公演は残っているので、あまりネタばれするようなことは
あまり言えませんが。
ケラ氏曰く
「セックスを描く時、小説でも映画でも、最後は愛の物語ってことで収束させないとみんな気が済まないのは、あれ、腹が立つんですよね。」(パンフより)

多くの人が持つ、システムとしての、いわゆる常識的な思考。
「A→Bと、話がきたら次はCだよね」
階段を一段一段踏みしめていくような
その思考予測の道筋にある、
段をいつの間にかにはずして、
しかも、コンニャクの様なものに変えてしまう。
観ている僕らは
知らずに、すり替えられた段を踏み
足は膝から「くにゃっ」と曲がる。

ケラ氏の脚本の妙は、その部分にあるといえる気がする。
落とし穴に嵌って、怒るべきなのだが
なぜだか大笑いしてしまうような、
そんな笑い。

セックスと愛との巧妙な別離。
男性的な視点なのかもしれないが
この点では、ケラ氏の目論見は今回の芝居でかなり成功していると思われる。
(脚本書いているのも、観て感想を書いているのも男なのだから男性的な視点ってのはまあ当然かも知れない)

セックスコメディってことで、
台詞の至る所に●●●な言葉が、
というより、卑猥な言葉の間に台詞が入ってるって感じだった。

一番面白かったシーンは、
みのすけ演じるウツキが
いろいろあって病床で意識が混濁する中
娘のミホに語るシーンと台詞。
「家族も会社も騙してやったよ…」
誰も救われない。なんともやるせない気持ちにさせる。
巧いなあといたく感心。

また、ロマンチカのダンスは圧巻。
ナイロンもロマンチカも元々知っていたのだが
(ロマンチカの横町さんがナイロンの前身・劇団健康に所属していたのは初耳だった)
男の頭にある、エロチックな世界を体現しているような気がした。そう、男子の妄想のなかの女性はみんなキレイなのだ。

当日券も結構あるようなので、
演劇初めての方には、お薦めである。
観るべし。

公演パンフ(¥1,600)も2冊組(ケラ+ロマンチカ(横町+林)による対談などの本と写真集)で読み応え・見応えあり。
コンドーム付。かなりお薦め。

個人的評価は、
「ナイス・エイジ」に次ぐくらい面白かった
といったところ。★4つ。

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