鉄人28ミリ
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鉄人イチロー考



イチロー
結局、今までの記録に5本加えた262安打という
すばらしい記録を残したイチロー。

なぜここまで清々しいのか。
野村克也氏は、阪神の監督に就任した際、選手を一同に集め「野村の考え」というテキストを配布し、こう言葉を述べたという。
「野球人たる前に、まず社会人たれ」

イチローの会見をテレビで見て、その言葉が思い出された。
自分の言葉で語り、決して奢らない。
「次のヒットが目標です。」
千代の富士も1000勝をしたとき、次の目標は?との質問に「1001勝」と答えたそうである。
謙虚な言葉から伺える、秘めたる自信は、その自信を生み出す実力が本物であることを示しているのだろう。そんなイチローの言葉は、必然的に、多くの者の心に届く。国境など関係ない。
イチローは、すばらしい能力を持った野球人であり、自分の言葉で、自らの責任において自らの思いを語れる社会人であり、そして圧倒的に多くの人たちに夢を与えるヒーローである。
能力が高くても、自ら「前人未踏の…」などと言ってしまう人も谷選手とも対称的だ。

そう言えば、最近これと全く逆の印象を受ける映像を見た。
スト回避交渉決裂時の、選手会とオーナー達の会見。
空回りする言葉。疲れ切った表情。
そして、共感する者のいない会見とその結果。
国こそ違え、同じ野球をしている人とは思えない表情。
誰も古田氏の選手としての能力や選手会の運営能力について、とやかく言わないであろうが、選手にこんな表情をさせてしまう世界に、魅力を感じる人もまた皆無であろう。

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